戦国ゴーストと妖退治
「でも結局、身体を貸すだけで、私自身は戦えないんだけど・・・。でも、それでも、私だってみんなを護れるって思いたかった。私の大切な人を、私も護りたい!」
「・・・っ」
「夾くんがこれまで護ってくれてたように。だから今度は、私の番なの。私の、覚悟なの」
自分にできることを探した。
鈍くさくて、運動も特別得意じゃない私ができることを。
例えそれで身体が傷ついてしまったとしても。
取り返しのつかないことになってしまったとしても。
「ほんとは、怖いよ。どうなるか考えたらすごく怖い・・・。でも、私には夾くんがいるから。だから、立っていられる。だから、信じられるの」
「・・・バカ・・・。ほんと、バカだよあんた・・・」
「うん・・・」
バカだね。
ほんと、自分でもそう思う。
でもね。
出会ってしまったんだから。
夾くんに。
信長さまに。
護りたいものがある。
護りたい人がいる。
「安心しろ。この身体に、傷をつけたりはしない」
「バカ信長。傷なんかつけたら一生成仏できないようにしてやる」
「肝に銘じておく。お前らは下がっていろ」
私の姿をした信長さまがそう言って刀を構えた。
身体は私のものなのに、とてもかっこよく見えた。