戦国ゴーストと妖退治


「ま、って、信長さま・・・。お別れじゃないよね?まだ、一緒にいられるんだよね!?」




不安がよぎる。
まるで、別れの挨拶みたいじゃないか。




「すず。・・・思い残しはもう、なにもない。行くべき場所へ行かねばならん」

「そんな・・・。突然すぎるよ。だって、・・・私」

「俺を見える者がお前でよかった。すず、お前に出会えてよかった」

「そんな、信長さまらしくないこと言わないでよ!私、楽しかった!信長さまといること、楽しいって思ってた!」




最初は、嫌で嫌で仕方なかったはずなのに。
いつしか、いるのが当たり前になってた。






「信長さまの、俺様な言い方とか、態度とか、嫌じゃなくなってた!信長さまと出会えてよかったって思ってるのは、私だって同じだよ」

「ああ。・・・すず。幸せでいろ」

「信長さまッ!」




さよならなんて嫌だよ。
でも。
成仏することがきっと信長さまの幸せなんだよね。



500年以上もこの世にとどまって、ようやく成仏できるんだもの。
喜んであげなくちゃいけないよね。




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