戦国ゴーストと妖退治
「帰蝶、お前・・・どうしてここに」
「殿をお迎えにあがったのです。随分寄り道をなさっていたではありませんか。帰蝶は待ちくたびれてしまいました」
「光秀も転生しておるのだ。お前も、転生していてもおかしくないのではないか」
「わたくしは、いつまでも殿と共におりますと約束いたしましたでしょう」
「そうか」
今まで見たことのないような信長さまの暖かな顔。
二人は想いあってるんだ。
そっか・・・。
大切な人がいるのなら、行ってあげなくちゃね。
「信長さま。今まで本当にありがとう。帰蝶さまとお幸せにね」
「すず・・・。もし、転生というものができるのなら、またお前たちに会いたいものだな」
「え、そうだね!じゃあ早くしないと私たちだって、おじいちゃんとおばあちゃんになっちゃうよ」
「それは急がねばな」
暖かな雰囲気に包まれる。
さっきまでの毒々しさは消え失せて。
「ありがとう」
信長さまは、帰蝶さまと手を取り合って光とともに消えていった。