戦国ゴーストと妖退治
「夾くん!遅刻しちゃうよ!」
「わかってる。・・・今行くから」
腕時計とにらめっこしながら慌てるようにして家を出る。
空は真っ青な晴天。
さりげなく繋がれた手。
私はにっこりほほ笑んでそれを握り返した。
「元気してるのかな」
「きっと元気だよ。それに、惚気られるかもよ。新婚だし」
「引き返す?」
「なに言ってるの、夾くん。行くわよ」
足取りが重くなる夾くんを引っ張って私は歩く。
そして、待ち合わせ場所に近づくと私たちに気づいた人影がこちらに動き出した。
「瀬名!清宮!」
変わらない相変わらずの様子。
私は夾くんと顔を見合わせた。