戦国ゴーストと妖退治


でも、すべてを忘れてしまった水原先生は、はせちゃんの良き同期として今までいい関係を築いてこれているらしい。
忘れてしまっていたとしても、水原先生が明智光秀の生まれ変わりで、信長さまと交わした言葉や体験が消えるわけじゃない。


きっと、水原先生の心の奥底に、大事に大事にしまわれているんだと思う。




「それより、性別わかったのか?」




目を輝かせてはせちゃんが言う。
私は大きくなったお腹を撫でながらにっこりと笑った。



「一人は、たぶん女の子だろうって。でも、隠れてる場合もあるからはっきりとは言えないんだって。もう一人は、もったいぶって見せてくれないの」

「へぇ。楽しみだな。でも、いきなり双子の親だなんて、大変だな」




そう。
私は今、双子を妊娠している。
もちろん、夾くんとの子ども。




「でもね、たぶん。男の子だと思う」

「ん?なんで?」

「信長さまは、言ったことは絶対に護る人だから」

「ん?」




お腹をさすりながらそう言った。





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