戦国ゴーストと妖退治
「面倒だな」
「面倒でも、ダメなものはダメぇ!」
「安心しろ。どっちにしろこの刀では人は斬れん・・・はずだ」
「・・・ちょっと、どうして最後迷ったんですか!言い切ってくださいよ」
不安になるようなことを・・・。
どっちにしろ、あの化け物・・・妖はどうにかしなくちゃいけないんだよね。
妖なんて、本当にいたんだ。
今まで見たことなんてないのに。
信長さまが見えたことに何か関係してるんだろうか。
「向こうにこちらが認識されているということは、俺にも触れられるという事だ」
「え?」
「俺の事が見えぬやつは、触れようとしても触れられんかった」
「そうなんですか?」
いつの間にそんなこと試してたんだろう。
じゃあ、この間私に触れられたのは、私が信長さまを見えていて信長さまが触れようと思ったからってことなのね。
「あの人間の意識を途切れさせることができれば、あの妖はあの身体から抜けるはずだ」
「気を失わせるだけですよね?」
「多少手荒になるが、許せよ」
そう言うと信長さまは刀を鞘に納め地面を強く蹴り飛び出した。