戦国ゴーストと妖退治
ブチブチブチッと気色の悪い音がして、男の身体から何やら浮き上がってくる物体。
それは男の身体から音を立て離れた。
それは人間の姿でも、見たことのある動物の姿でもない。
化け物――――。
得体のしれないその姿に、足がすくみ、尻餅をついた。
「姿を現したな、化け物め。人に憑かぬと生きられぬ弱き妖め」
『黙れ・・・黙れ・・・!再び、妖の世に変えてやる!』
「それが貴様らの目的か」
『もう止められん!我々の世界がもうすぐ来るのだ!!』
妖は触手のような腕を振り回す。
大きなその触手はバシン!と音を立て地面に叩きつけられる。
振り上げられた触手が、私に向かって振り下ろされる。
「――――っ!」
どうしよう、逃げられな・・・・っ!