戦国ゴーストと妖退治


腰が抜け、動けない私は、目を伏せる。
だめだ。

そう思った瞬間、身体が温もりに包まれ、ふわっとからだの浮く感覚。



「え・・・?」



思わず目を開くと、私は信長さまの腕の中にいた。
信長さまが、助けてくれた・・・。



「たわけが。自分の身くらい自分で護れ」

「なっ、そんな無茶言わないでください!こんな事、初めてなんだからっ」




思わずお礼を言うのも忘れて怒鳴り返しちゃった。
信長さまは軽々と私を抱え妖から離れると私をそこに降ろした。




「ここにいろ。いいと言うまで出てくるなよ」

「は、はい。あの、信長さま」

「喋っている時間はない。もう助けんからな。動くなよ」




信長さまはそういうと妖に向かって行ってしまう。
お礼、言えなかった。


初めて見る化け物みたいなあの妖を前に、なにもできなかった。
身動きが取れなくて、怖くて、足がすくんだ。


信長さまは、動じもせず、向かって行っている。




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