戦国ゴーストと妖退治
痛みを覚悟したはずが、一向に来ない痛み。
え?と思った次の瞬間、妖の断末魔のようなうめき声が聞こえた。
「え・・・?」
慌てて顔をあげ目を見開くと、そこに見えた背中。
華奢な背中。
「せ、瀬名くん・・・?」
妖の姿は消えていて、さっきの声はやっぱり妖を倒した声。
もしかして、護ってくれ・・・。
「邪魔をするなと言ったはずだけど」
「え?」
「妖は、あんたみたいな心の弱いやつを好む。あんた、餌になりに来たわけ?」
「な、心が弱いって・・・」
反論しようとした私をじろっと横目でにらみつける。
う、と息をのんだ。