夜まで待てない



真っ先に私達が向かったのは絶叫マシンだった。


「じゃあ私と優子は乗るから真城は待っててね!」


「はぁい!楽しんで思いっきり叫んでおいで!」


白崎先輩に見送られ私達は列に並んだ。


遊園地なんて何年ぶりかな?
そう言えば小さい頃に羽月のおじさんに連れて行ってもらったな。


ダメだ!羽月から離れなきゃまた思い出してしまう。


もう二人に心配をさせる訳にはいかない!


私と日菜子の順番が回ってきて席に座った。
久しぶりのジェットコースターにドキドキしてる自分が居た。


ジェットコースターは動きだした。


ゆっくりと上に登って行き、そのまま勢い良く走りだした瞬間に私も日菜子も叫んだ。


キャーッと声をだしながらスリルも感じた。


「羽月のバカヤロー!好きにさせといて元カノと寄りをもどすなんて酷いよー!でもっ、好きだよ羽月ー!」


私はそう叫んだ。


羽月の前では言えない言葉を口にした事で少しスッキリした。


遊園地に連れて来てくれた事に感謝だね。




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