夜まで待てない
「何?」
不安そうに日菜子は聞いた。
「実は俺の両親ってお互いが元々、お金持ちだったんだ。大学生の時に両親は出会って、恋愛結婚したんだけど、お袋の会社は化粧品メーカーで社長してるんだけど、俺は一人息子だから親父の会社を継ぐだろ?それでお袋は将来、俺が結婚したらその奥さんは私の会社を継いで欲しいってずっと言われ続けてたんだよ。」
暫く日菜子は考えていた。
「わかった!私に出来るかどうかはわかんないけど頑張ってみる!だけど私からも条件がある!」
「何?」
日菜子は白崎先輩の耳元に口を近づけて何かを話していた。
「わかった!」
二人は何だか幸せそうで羨ましかった。
二人を見てるとこのまま逃げるのはダメだと思った。
明日は仕事が終わったらマンションに帰ろう。
美波と付き合おうがあのマンションは私の家でもある。逃げる必要もないもんね。
何も知らない振りをしてればいいよね。
「何だか二人に元気もらえたから、明日はちゃんとマンションに帰るよ!私だけ悩むの何だかバカバカしくなっちゃった!」
「それでこそ優子だね!あっ、今日は実家の近くでお祭りやってるの思いたした!帰って着替えてお祭に行こう!出店で何か買って食べよう!真城、私達を送ったら真城も着替えて待ち合わせしよ!待ち合わせてデートも楽しいでしょ?」
「そうだな!よし急ごう!」
日菜子の急な提案にはしゃぐ二人を見て思わず微笑んだ。