夜まで待てない
「育てるなら羽月が一人で育てなよ!信じられない。よくそんな事を平気で言えるよね。」
「はっ?何だよそれ…意味がわからない!」
「自分で考えたら分かるでしょ?私帰る!」
そう言って私は歩き出した。
「待てよ意味がわかんねぇ、ちゃんと説明しろよ?さっきまで楽しそうに金魚すくいをしていたのに急に怒るなんて俺何かしたかよ?」
私はプルプルと体が震えてもう我慢できなくなって羽月に言った。
「同窓会の日に美波とキスをしといて今日は二人でデートしてたくせに私に思わせぶりな事言わないでよ!最低っ!」
掴まれた腕を振りほどいた。
「え?ちょ、ちょっと待って」
そう言ったが私は人混みに紛れるように羽月から逃げた。
本当に信じられない!
私はスマホを取り出して日菜子に電話した。
(もしもし?)
「あっ、日菜子?今何処にいるの?一緒に帰りたいんだけど!」
(ごめん、実はもう真城の家に向かってるの!だから今日は羽月くんと帰って?鞄は明日に持っていくからごめんね!)
「ちょ、日菜子っ」
そう言ったが電話は切れた…
日菜子は今日、プロポーズされたし二人きりで過ごしたいよね。
私は駅までの道を歩いた。