夜まで待てない
「それにさ、俺前に言ったけど美波とか他の女とも付き合ったけど優子以上に好きになれなかったって言ったよな?俺が好きだって思うのは優子だけだ!」
そう言われてしまうと私は何も言返す事が出来なかった。
「おーい!優子?」
「……」
そう言われても言葉が出ない。
だって私は美波と寄りを戻したと思っていたし、それに私は羽月を好きだという事に気がついた。
散々、言いたい事を言っておいて羽月に好きだと改めて言われても、私も羽月が好きなんて…言えないよ。
「じゃあ俺から聞きたいことを聞くから答えてくれな?俺は全て話したしちゃんと答えてくれ。」
な、何を聞くって言うのさ。
私は黙ったままでいた。
「優子は俺と美波がキスしてるのを見て、barに戻って美波が俺の側に居たから寄りを戻したと思ったんだよな?じゃあ日菜子ちゃんちに泊りに行っていて今日、服を取りにマンションに戻って来た時、何で服を取りに来ずに帰ったんだ?もし俺と美波が寄りを戻したとしても俺達は付き合ってないし、優子が俺を好きじゃなかったならここは優子の家でもあるし遠慮することなく帰る必要はないと思うけど何で?」
「そ、それは…やっぱ邪魔しちゃ悪いと思ったからで…」
私は言葉に詰まりながら何とか答えた。
羽月の質問に素直に好きだからと答えることが出来なかった。
「何で邪魔しちゃ悪いんだよ?美波と優子は初対面でもないんだし一緒に住んでる事実を隠す必要もないだろ?
本当は俺の事、どう思ってんの?」
「……」
「なぁ優子、答えてくれよ!俺が美波と付き合っても何とも思わないのか?」
私は抑えていた気持が膨らんでドア越しに叫んだ。