夜まで待てない
それからどれくらい時間が経ったのか、缶ビールも結構なくなり日菜子も少し酔ってる感じだ。
会話は日菜子の過去の元彼達の会話になり、面白かったエピソードを話してくれて笑っていた。
笑っていたから気づかなかったけど、リビングの扉が急に開いて「ただいま!」と声がした。
「あ、初めましてお邪魔してます!同じ会社で働く同期の日菜子です!」
「こちらこそ初めまして!優子の幼馴染の羽月です。随分と賑やかで楽しそうですね?」
笑顔を見せながら羽月は日菜子に言った。
「はい!二人で女子会してました。
よかったら一緒に飲みましょうよ!」
そう言った日菜子に羽月は"そうですね"なんて言ってスーツのジャケットを脱いでネクタイを外して冷蔵庫から缶ビールを取り出して私達の座るテーブルにやってきた。
日菜子と羽月は前から友達だったかのように話していて、直に仲良くなっていた。
そして時計を見ると二十三時になっていた。
「あ、もう私帰らなきゃ!遅い時間までお邪魔しちゃった。」
「もう遅いし泊まってけば?服なら私のがあるし…」
「大丈夫だよ!ここから私のマンションまでそんな遠くないしタクシーで帰るからさ!
泊まるときは次の日が休みの日にでもゆっくり泊まるよ!」
本当は泊まって欲しかったが帰る日菜子を私は玄関で見送った。
「じゃあまた明日ね!羽月くんも今日はありがとうございました。二人共おやすみなさい。」
そう言って日菜子は帰ってしまった。