夜まで待てない




会社に着くと後から日菜子がオフィスに入ってきて、皆に挨拶をした後、私の隣にやってきた。


「昨日はありがとね!楽しかった!
羽月くんも凄くいい人じゃん?何で付き合わないか疑問だよ!」


「疑問と言われても、友達で幼馴染としか思っていなかったし急にキスされて好きだと言われても戸惑うだけで、直に好きになるなんてないよ。ルームシェアしだして羽月が昔とは違う別人で、人としては好きだったけど今は好きとは言えないよ。」


「だけどずっと好きだったから想いが溢れちゃったんじゃない?いつまでも優しい羽月くんのままだと優子に自分の気持ちすら気付いてもらえないし、本当の自分を知って欲しかったんじゃないの?例えそれが強引な形になっても。
まぁ優子も一緒に住んでるんだし羽月くんの事もちゃんと見てあげたら?
さっ、私は自分の机に戻るからまたお昼ね!」


そう言って日菜子は自分の机に戻って行った。


そう言われても好きって感情がないし、芽生えない限りは羽月とは付き合うことはない。


菜々子が聞いたらビックリするだろうな。


菜々子なら何て言うかな?


そんな事を思いながら私は仕事を始めた。




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