夜まで待てない




「優子、取り敢えず座って!」


そう言って座っていた菜々子が"よいしょ"と言って立ち上がった。


「菜々子、大丈夫?私も手伝うよ!」


「大丈夫よ!病気じゃないんだし妊娠中だからと言ってじっとはしてちゃダメなんだから!」


そう言った菜々子はすっかり母親の顔で、いっくんを妊娠中はまだ一人目だというのもあって不安だらけだったのを覚えているけど、二人目になると違うな。


菜々子がキッチンに行っている間に私はいっくんと仮面ライダーごっこをして遊んでいた。


三十分程すると菜々子が料理をテーブルに運んできてくれた。


「さぁ、料理出来たから食べよ!」


そう言って私に缶ビールを持ってきてくれて、いっくんはジュースに菜々子はお茶で乾杯した。


「しかし沢山の種類のおかずで作るの大変だったでしょ?」


「いっくんが保育園に炒ってる間に作れる物は作ってたし、後は盛りつけただけだよ!揚げ物だけはさっき揚げたけどね。」


「それでも豪華だから!」


菜々子の作った料理は美味しくて、いっくんの好物の海老フライにポテトに卵焼きもあって、いっくんは美味しそうに食べていた。


皆でご飯を食べていっくんとも一緒に遊んでいると眠くなったみたいで菜々子は先にいっくんをお風呂に入れて、上がると私がいっくんの服を着替えさせた。


お風呂から上がった菜々子はいっくんの歯磨きをさせて、布団に寝かせた。


いっくんが寝ると菜々子はリビングに戻って来た。


「いっくん寝た?」


「うん!今日はありがとね!」


「いいよ!それより菜々子に話があるんだけど…」


「どうした?何かあった?」


「実は…」


私は羽月の事を菜々子に話した。






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