夜まで待てない
「大人になって仕事をし始めて随分会ってなかったんですけど彼女は綺麗になっていて、帰りに彼女のマンションまで送っていたんですけど酔った勢で彼女に告白してキスしたんですよ。だけど直ぐには付き合ってくれませんでしたがめげずに彼女のマンションに毎日通い続けた結果、二週間後に俺の彼女になってくれました。」
彼女は照れながら彼氏の後にかくれた。
何となくだけど私と羽月に似ている。
でも一緒に住んで一週間だけどまだ羽月を好きかなんて分からない。
そんな事を考えていると、いつもより少し早く羽月が帰ってきた。
「ただいま!」
「お帰り!今日は少し早かったね?」
「土曜日に仕事に行ったから少し早目に帰れた。でも疲れたから先にお風呂にはいる!」
「じゃあ私は食事の用意をしとくね!」
「ありがと!」
そう言って羽月は部屋に戻ってスーツを脱ぐと着替えを持って浴室に向った。
私はキッチンに行き春巻きを油で挙げながら他のおかずを温めた。
羽月がお風呂から上がると私はテーブルに料理と缶ビールを置いた。
「おっ、旨そうだな?いただきます!」
お腹が空いていたのか羽月はテーブルに座ると黙々と食べていた。
私は食べてる羽月の反対側に座ると同窓会の事を聞いた。
「羽月は今週の金曜日の同窓会に行くの?」
「あっ、同窓会の事を忘れてたよ。今週だったんだな?俺は参加にしてる。優子は?」
「私も参加にしてるよ!菜々子からラインが来て思い出したから良かったよ。金曜日は菜々子の旦那さんが一緒に連れて行ってくれる事になったんだ。」
「二人目を妊娠中って言ってたよな?旦那も心配なんだろ。俺は少し遅れて行くと思う。」
「楽しみだね?前の同窓会はバイトで行けなかったし。」
「俺は行ったけどまだ高校卒業してそんな経ってなかったから皆は変わらなかったぞ?」
そんな会話をしていたら学生時代の話になった。
羽月は途中で食べた食器をキッチンに持って行き、冷蔵庫から缶ビールを二本取って私の分を持ってきてくれた。
「ありがとう」
そう言って缶ビールの蓋を開けて羽月と乾杯した。
「そう言えば優子の元彼って高二の時にすげぇ俺を見る度に睨んでたしライバル視されてたな。優子が俺を避けだして元彼に何か言われたんだと思ったけど、アイツとは仲良くなかったし関係なかったけど地味に傷ついてた。」
「私だって羽月の元カノに睨まれたりしてたよ!それに私を好きだったとしてもお互いに恋人は居たんだし今それを言われてもね…」
「昔の事だし軽く流せ!でも昔よりも今のが何倍も優子の事が好きだけどな!」
サラッと言われて私は自分の顔が熱くなるのを感じた。