夜まで待てない
そう自分に言い聞かせた筈なのにやっぱりモヤモヤしてしまう。
酔っていたけど好きだと言われてキスをされたあの夜。
多分、あの時に私は羽月の事を好きになっていたんだろう。
もう私に好きだと言うこともなければキスもされる事もないと思うと悲しくて、切なくて、このマンションに居るのが息苦しくなった。
私はマンションの外に出て日菜子に電話をした。
(もしもし?)
「おはよ、日菜子…うっ」
(ど、どうして泣いてるのよ!何があった!?)
「お願いっ、今日は日菜子の家に泊めさせてくれない?」
(わかった、真城がいるけどいい?)
「うんっ…」
電話を切ってマンションに戻り、着替えを鞄に詰めた。
部屋着のまま化粧もせず、私はタクシーを呼んで日菜子のマンションに向った。
羽月には日菜子の家に泊まるとラインを送ってスマホの電源を切った。