○○さんと。
「ったく…めんどくせぇ…」
未だ濡れたままだった髪をガシガシ拭きながらぼやく。
まぁでも、まだ理性のある奴で良かった。
理性もくそもない奴だったらどうなっていたかわからない。
「おい、服着てくるからちゃんと洗ってろよ」
浴室の扉を無遠慮に開けてそれだけ言い、返事を待たずに扉を閉める。
体に巻いていたバスタオルと髪を拭いていたタオルを洗濯機に投げ入れ、パジャマ代わりの浴衣を着るため部屋に戻った。
クローゼットを漁ると出てきたのはスウェット。
それはサイズが大きく、一目で男物とわかる。
「………はぁ…」
少し考えて、風呂で念入りに全身を洗っているであろう奴に貸すことにした。
盛大な溜息が零れたが。
とりあえず自分の浴衣を見つけて着替え、男物の下着を探す。
男のための下着とスウェット、自分の携帯を手に持って風呂場へ戻った。