ティアラ
「お姉ちゃん、ちょっと来て!」

帰ってからモカの散歩に出かけていたあたしは、家に戻ったとき、玄関まで走ってきた妹に手を引っ張られる。

ついた場所は、1階のリビング。

「さっきから、ずっと流れてくるの!」

そう言って、ジジジと音を出す電話機を指さす妹。

白いFAX用紙が、切れずに長く伸びている。

近づいて手に取ると、そこにはあの手紙と同じ文章が書かれていた。

ゾッとするあたし。

同じ文章が何回も流されていて、まるでサスペンスドラマを見ているような気分だ。

端に小さく記入されているのは、コンビニの名前。

その支店名を見たとき、あたしはハッとなる。

「……これって深町の地元?」
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