ティアラ
帰ろうかなと思っていたけれど、「もしかしたら、この後に何かあるんじゃないか?」と考えたあたしは後をつけることにした。

駅前の繁華街は人が混んでいて、尾行するにはちょうどいい。

人ごみの中、あたしはサングラスだけを外し、彼を見失わないよう駆け足で歩く。

最初に彼が入った店は、大きな眼鏡屋さん。

店の外から覗いてみると、彼は新しい眼鏡を買おうとしているようだった。

にやりと微笑む、あたし。

ネタになるものは見つけていないけれど、こういうところを見るのは気分がいい。

眼鏡がなくて困っている、ってことだよね。

しかも、眼鏡って結構いい値するし、ざまーみろって感じ。
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