ティアラ
「シーッ!!」

人差し指を立てて、静かにしてと願う。

だけど、状況を察していない太一は、手を離すと同時にまた話し始めた。

「何なんだよ、一体!?」

しかめっ面の太一。

気づかれたんじゃないかと思ったあたしは、太一の頬をつねりながら店の中をそっと見た。

隠れているからあたしたちの姿は見えてないはずなんだけど、深町は話しかけてくる店員を無視して、店の外に目を向けている。

やばいなと判断したあたしは、二歩三歩と後ろへ下がり、太一の顔を睨んだ。

「今、尾行中なの!! 邪魔しないで!!」
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