ティアラ
自転車のカゴに荷物は入れているけれど、深町はなぜか、人が少ない道でも自転車には乗らなかった。


「今、何時だろ?」

時間が気になり、再び携帯電話を鞄から出す。

時刻は、夕方の5時を回っていた。

左上にある電池のマークを見ると、充電が切れそうだった。

「太一のせいだ」

着信回数は17件、届いているメールは11件。

ブツブツ文句を言いながら着信履歴を見ると、記載されている名前は太一だけじゃなかった。

数回、直子からもかかってきていている。
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