ティアラ
「来なくていいよ。深町ももう家に帰るみたいだし」
直子が電話を取り戻したことを確認したあたしは、うんざりした口調で言った。
太一は大げさなんだよ。
電話に出ないからって、直子からかけさせたり……。
「そうじゃないんだよ、美和。若葉図書館で、あの本を借りた人間がわかったの! ……前にさ、あんたに変な告白してきた男子いたじゃん? 森本っていうC組の男」
必死な口調で、直子は電話を切らせないようにしてくる。
「えー? ……そんな人いたっけ?」
「いたよ!! そばかすが目立つ顔で、ちょっと肥えた感じの男!! 思い出してよ!!」
思い出そうとしても、告白された回数が多すぎて、その森本という男子の顔がなかなか出てこない。
直子が電話を取り戻したことを確認したあたしは、うんざりした口調で言った。
太一は大げさなんだよ。
電話に出ないからって、直子からかけさせたり……。
「そうじゃないんだよ、美和。若葉図書館で、あの本を借りた人間がわかったの! ……前にさ、あんたに変な告白してきた男子いたじゃん? 森本っていうC組の男」
必死な口調で、直子は電話を切らせないようにしてくる。
「えー? ……そんな人いたっけ?」
「いたよ!! そばかすが目立つ顔で、ちょっと肥えた感じの男!! 思い出してよ!!」
思い出そうとしても、告白された回数が多すぎて、その森本という男子の顔がなかなか出てこない。