ティアラ
「は?」と言いたげな彼に、あたしはムッとした。

「海老フライを食べに来たんでしょ? 別のものを頼んでどうすんのよ」

そう言って、深町の腕を引っ張る。

店員に「また来ます」と告げて、出ていくあたし。

「もういいじゃん、この店で。俺、別に海老フライじゃなくても……」

「あたしは海老フライを食べたいのよ!」

もう一度、店に入ろうとする深町に、タンカを切る。

どうして、食べたくないものを食べなきゃなんないの?

今、食べたいと思うものを頼まなきゃ、意味がないじゃない。

せっかくおごってやるって言ってんのに、何考えてんの、こいつ。
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