ティアラ
念願のとき
……最近のあたしは、ちょっと変だ。
「お、お腹が空いたんだけど!」
ひと仕事を終えた後、すっくと立ち上がったあたしは、そっぽを向いて深町に話しかける。
なぜなのかは自分でもよくわからないんだけど、近頃のあたしは2~3日に一度のペースで、彼を食事に誘うという行動に出てしまう。
「早く帰って、飯を食えばいいじゃん」
バイト上がりの彼は、自転車の向きを変えながら、素っ気なく帰ろうとしている。
遠回しな言い方で誘ったせいか、はっきりした返事をもらえなかった。
「い、家にご飯がないのよ!!」
……慌てて嘘までついてしまった。
うちの母親は朝昼晩、ちゃんとご飯を作ってる。
今日も帰れば、きっと湯気の立ったご飯とおかずを出してくれるに違いない。
だけど、こうでも言わないと、本当に帰られちゃう気がしたから……。
「お、お腹が空いたんだけど!」
ひと仕事を終えた後、すっくと立ち上がったあたしは、そっぽを向いて深町に話しかける。
なぜなのかは自分でもよくわからないんだけど、近頃のあたしは2~3日に一度のペースで、彼を食事に誘うという行動に出てしまう。
「早く帰って、飯を食えばいいじゃん」
バイト上がりの彼は、自転車の向きを変えながら、素っ気なく帰ろうとしている。
遠回しな言い方で誘ったせいか、はっきりした返事をもらえなかった。
「い、家にご飯がないのよ!!」
……慌てて嘘までついてしまった。
うちの母親は朝昼晩、ちゃんとご飯を作ってる。
今日も帰れば、きっと湯気の立ったご飯とおかずを出してくれるに違いない。
だけど、こうでも言わないと、本当に帰られちゃう気がしたから……。