ティアラ
ハァッとため息をついて、雑誌から目を離す。

「深町はあたしを好きになったんだ」と思ったら、すべてが繋がった。

この前の冷たい態度は「好きの裏返し」ってやつで、美緒ちゃんたちに嘘をついたことも、駅まで送るのも全部、あたしに惚れている証拠。

「……あたしって罪な女よね」

敵までも虜にしてしまう、美しさ。

こんな自分を、たまに恐ろしいなって思ってしまう。

そっかぁ、あの深町があたしをね……。

まぁ、あたしは何とも思ってないけど。

薄笑いを浮かべながら、広げていた雑誌をパタンと閉じる。

「よ、喜んでるわけじゃないんだから!!」

表紙にある文字を読んで真っ赤になったあたしは、買ったばかりの雑誌を部屋の隅に投げた。
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