ティアラ
「太一のことは大好きだよ、友達として。幸せになってほしいとも思う。でも、してあげたいとは思わないんだ」

ごめんね、太一。

でも嬉しかったよ、ありのままの自分を好きになってもらえて。

初めて見る太一の素顔は、別人かと思うくらい切なくて……。

ずっとこんな瞳であたしを見ていたのか、と思ったら胸が苦しくなった。

しばらくの間、あたしたちは沈黙の中にいた。

自分のことのように、辛そうな表情を浮かべる直子。

言葉を詰まらせている彼を、ジッと見つめるあたし。
< 286 / 555 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop