ティアラ
昼休みが終わるまでずっとこのままなのかな、と考えていた。

だけど、チャイムが鳴る前に、太一は明るい笑顔を見せてきた。

「ほんと、きっつい性格してるよ。もう少し言葉を選べよな」

そう言って、彼は大きなため息をつく。

から元気だとわかるだけに、一瞬、どう接すればいいのかと戸惑ってしまった。

けれど、彼のそんな態度は、仲が良かった頃と何も変わらないもので。

あたしの気持ちをちゃんと受け入れてくれたんだな、と思ったから……。

「テキトーに返されるよりはマシでしょ」

あたしも前と同じように笑い返した。
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