ティアラ
手足を大の字に広げて、公園へ行かせないようにした。

どこまでも素直じゃない深町は、あたしに本音を知られたくないのだろう。

うんざりした顔をして、ため息までついてくる。

セニョール、本当は喜んでるんでしょ?

嬉しいときは微笑むものよ。

ていうか、いまどきツンデレなんて流行らないのよ、バーカ!

「このあたしとデートができるんだから、ありがたいと思ってね」

本当なら、あんたみたいな男と出歩くなんて、ありえないことなんだから。

って、ここまで言ってあげてるのに、深町は……。

「いや、行かないから」

即答であたしの横を通り過ぎていく。
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