ティアラ
なんだ、知り合いだったのか。

血相を変えるからビックリしたじゃない。

深く息を吐き、胸をなで下ろすあたしは安心して、深町のもとへ行こうとした。

そのとき、だ。

「何してるのかって聞いてんだよ!!」

深町はその男の肩を掴み、ベンチから起こすと、すぐさま拳で顔を殴っていく。

「ちょっと、何してんのよ!?」

目を丸くしたあたしは、慌てて声を出した。

けれど、彼の耳には届いていなかったみたいで……。

あたしはその後、思わぬ台詞を聞くことになった。

「弥生はどうしたんだ!? 昨日から一緒にいたんじゃねぇのかよ!?」
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