ティアラ
眼鏡に宣戦布告
学園祭が終わり、教室の片づけを済ませたあたしたちは、駅へ向かって歩いていた。
「え、知ってんの? 弥生ちゃんの兄貴のこと」
今日は部活が休みらしく、帰り道は太一も一緒。
「うん、同級生。小学校を卒業すると同時に引っ越したみたいで、中学は別だけどね」
直子は太一に、深町篤紀とあたしたちの関係を話し始めた。
そう、あの男は小学生のとき、あたしと直子のクラスメイトだった。
「なら、相手は美和のこと覚えてる可能性もあるし、騙すとか無理だろ」
何も知らない太一は、そんな偶然もあるんだなと驚いた後、この計画が崩れることを予想する。
「覚えてるとか、覚えてないとか、そんなのどうでもいいよ」
直子と太一の会話を黙って聞いていたあたしは、素っ気ない口調でそうつぶやいた。
「……何か恨みでもあんの? そいつに」
「え、知ってんの? 弥生ちゃんの兄貴のこと」
今日は部活が休みらしく、帰り道は太一も一緒。
「うん、同級生。小学校を卒業すると同時に引っ越したみたいで、中学は別だけどね」
直子は太一に、深町篤紀とあたしたちの関係を話し始めた。
そう、あの男は小学生のとき、あたしと直子のクラスメイトだった。
「なら、相手は美和のこと覚えてる可能性もあるし、騙すとか無理だろ」
何も知らない太一は、そんな偶然もあるんだなと驚いた後、この計画が崩れることを予想する。
「覚えてるとか、覚えてないとか、そんなのどうでもいいよ」
直子と太一の会話を黙って聞いていたあたしは、素っ気ない口調でそうつぶやいた。
「……何か恨みでもあんの? そいつに」