ティアラ
「本当に大丈夫だって!」

そりゃあ嫌がってはいたけれど、お母さんが「美和と私、どっちが好きなのよ!?」って怒鳴ってからは、ヤキモチもやかなくなった。

お父さん以外は、最初から受け入れる態勢でいてくれたし、昨日もおもてなしのケーキとか買ってくれてたもん。

「お前の親、何してる人?」

やっぱり親を意識してるのか、篤紀の口から出てくるのは、家族についての質問ばかり。

「んー、うちのお母さんはエステサロンのオーナーで、お父さんはそこの従業員」

「え、お父さん……ただの従業員?」

「うん。不器用だし、仕事ができないみたいで、ずっと昇格してないの」
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