ティアラ
今のままで終わらせれるわけないじゃない。

絶対にあたしは、あの男の泣きっ面を見るまで諦めない。

「変なあだ名をつけられたことを恨んでる気持ちはわかるけどさ、もう昔のことじゃん?」

直子は箸で突き刺したウインナーをあたしに向けて、なだめてくる。

「あの後輩の子たちには、俺から謝っておくからさ。もう仕返しなんてやめとけよ。危ねぇよ、マジで」

隣の机に腰掛けている太一もあたしの顔を覗き込んで、説得してきた。

パタンッと雑誌を閉じて、顔を上げたあたしは目の前にあるウインナーを口にする。

「もうそんな次元じゃないの。昔のあだ名とか、美緒ちゃんの敵とか、そんなのはもうどうでもいいの。これはあたしのプライドの問題」
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