ティアラ
きっぱり言い切るあたしに、ふたりはそれ以上、何も言えないようだった。

そうよ、もうそんなことはどうでもいいの。

このあたしが、あんな恥をかかされたんだよ?

何が何でもあいつの泣き顔を見るまで、あたしは諦めない。

死語かもしれないけれど、絶対に「ぎゃふん」と言わせてやるんだから!!

「そうよ、ぎゃふんよ!!」

お弁当箱を鞄の中にしまうあたしは、心の中のセリフを口にする。

直子と太一は、顔を見合せてため息をついていた。



放課後、あたしはまた深町のバイト先を訪れていた。

駐車場にとまっている車に隠れて、あいつが出てくるところを待っている。
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