可愛くなんて、なれない!
「ふぅ、今日も仕事終わった。さて、帰ろっと。」
ノートパソコンを閉じて、帰り支度を始めると。


「川島‼今日夕飯一緒に食べない?」
と、上原が声をかけてきた。


もちろん断わろうとすると。


「マーヤちゃん、俺と行こうよ。」
「なに抜け駆けしてんだよ。俺と行かない?」
と、よく分からない人達まで来たから、さぁ大変。


一体全体なんなんだ?


みんな、おかしくなっちゃってるよ……。


ウンザリして理枝に助けを求めようとしたら、少し離れた所でニヤニヤしている。


あ、助ける気ないな……。


タメ息をついて、お断りしようとしたら。


「てめぇら、ふざけんな‼」
と声がしたかと思ったら、私は誰かに抱きしめられていた……って、伊織くん?


は……、え?


あまりの事態に、身動き出来ないでいると。


「お前ら全員お断り‼気安く食事誘うとか言語道断。」


ぎゅうぎゅう抱きしめられながら、私は頭がついていかない。


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