可愛くなんて、なれない!
答え合わせは……?
会社を出る時から、ずっと伊織くんと手を繋いでる。


1Fのロビーで、すごい悲鳴が上がったから、咄嗟に手を離そうとしたら、逆に引き寄せられて、何故か肩を抱かれてしまった私は。


恥ずかしくて、涙目になって伊織くんを見ると。


「お前らウルサイ。っていうか、こっち見んな、マーヤが減る。」
と、周りを追い払ってくれた。


というか。

「もう明日から会社これない~。」
なんなの、これ。


羞恥プレイ?


思わず手で顔を覆うと。


「心配するな、マーヤ。すぐにでも嫁にもらってやるから、会社辞めたっていいよ。」
と、サラッと言われ、更に私は真っ赤になるしかなかった。


仕事帰りのサラリーマンやOLで溢れている駅までの道。


なんだかみんなが、こちらを見ている気がする。


イケメンな伊織くんに手を繋がれてる私が、不釣り合いだからだよね……。
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