あなたに恋をしたらダメですか?
「聞いてんの?」
「あ、うん」


こうやって前よりも陽悟さんを出すようになったというか、きっと前までなら「聞いてる?」って聞いてきたと思うんだけど、言葉遣いがたまに違うようになってきたんだ。


前なら〝だろ?〟なんて、使ったことなかったし。でも緋紗子さんや、チャラ彼には私とは違う言葉遣いだったから、少しだけ嬉しかった。


「咲世、今月誕生日だろ?ちょうど火曜日の日だし、月曜日咲世の仕事が終わってから行けばいいかな、とか勝手にプラン立ててたんだけど」
「陽悟さん……」


私の誕生日覚えててくれてたんだ…。前に言ったことはあったけど「そうなんだ〜」で終わってたから、こんな計画立ててることも何も知らなかったよ。


「お祝い……してくれるの?」
「当たり前でしょ?咲世が生まれてきてくれた日なんだから」
「っ、」


陽悟さんはサラッと恥ずかしいことも言っちゃうんだよね…。聞いてるコッチが照れてしまう。


「旅行……行きたいっ」
「本当?」
「うんっ、でも外泊大丈夫かなぁ?」
「あー、お姉さん夫婦と住んでるんだっけ」
「うん。お姉ちゃんはノリノリになってくれる気もするけど…」


お姉ちゃんだけに話してみようかな。智明さんは絶対反対しそうだしね。


「お姉ちゃんだけに言ってみる。メールで報告するね」
「うん、分かったよ」


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