あなたに恋をしたらダメですか?
陽悟さんとのデートを終え、家に帰ると早速お姉ちゃんの洋服の裾をクイッと引っ張った。


「ん?咲世、どしたの?さては、お願い事でしょ?」
「……うん」


そう、私はお姉ちゃんにお願い事をする時、昔から服の裾を引っ張って〝お願いアピール〟をする。


「なに咲世ちゃん、俺も聞こうか?」
「とっ、智明さんはダメ!」
「うわぁ、何気に傷付くわぁ…」


だって絶対ダメって言うもん!智明さんには絶対言えない!


「ともくん、女同士の話だってあるんだからぁ。なぁに咲世、エッチの悩み?」
「ち!違うー!」
「えっ、って咲世ちゃん…もう……」
「だから違うー!!」


お姉ちゃん、お願いだから話ややこしくしないで…。ほら、智明さんが空見てる!はぁ……。


「ごめんごめん、咲世の部屋行こうね」
「…うん」


お姉ちゃんはクスクス笑うと、私の背中を押して部屋へと移動した。


「で、何のお願い?」
「うん…。陽悟さんと、温泉旅行に行きたいの…」
「温泉旅行…ねぇ」
「ダメ…?」


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