あなたに恋をしたらダメですか?
って、笑顔で答えたけど本当の本当は、夜のことが気になって食べる気がしないだけなんだけど…。


でも旅館のご飯は食べたいなぁ。あまり気にしないでおこうかな。


もしかしたら、私が意識してるだけで陽悟さんは考えてないかもしれないし!


……って、それはないよね。あぁぁぁ、こんなことで悩むなんて思わなかった…。


車に乗ってから、約二時間。目的の旅館へと辿り着いた。


「わぁ!ねぇ、陽悟さん!お部屋にお風呂あるよ?」


思えば温泉旅行なんて、いつ以来だろう。覚えてないくらい行ってないと思う。


「それって、俺と入ろうって誘ってる?」
「へっ?!そ、そんなつもりでは…!」
「ははっ、冗談。分かってるよ」
「………」


私が入るなんて言うはずないもんね。そう思って余裕の冗談なんか言ってきたんだ。


「そんなスネるなよ。ほら、夕食まで一時間もある。なにしたい?」
「なにしたい?って聞かれても……」


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