あなたに恋をしたらダメですか?
陽悟さんはその場で着替えたけど、私は襖を開けた隣の部屋で着替えることにした。


「咲世、まだ…?」
「まだー。もうちょっと待って!」


隣部屋に入ってから、もうかれこれ5分は経ってるはず。


そりゃあ、陽悟さんも聞いてくるよねぇ…。


でもお姉ちゃんが「浴衣に着替える時は髪もアップにすること!」って教え込まれたんだけど…。


「よし、出来た!」


鏡の前で髪型をチェックする。……うん、多分いいと思う。


でもこんなんで、陽悟さんビックリするかなぁ?と、半信半疑のまま襖を開けた。


「咲世、遅い…よ、」
「ごめんなさい」


謝りながら陽悟さんを見上げると、口を手のひらで覆って、何も喋らなくなってしまった。


< 109 / 122 >

この作品をシェア

pagetop