あなたに恋をしたらダメですか?
30分以上は経ったかな。何だかんだ急いで入ったとしても、髪を乾かしたりする時間を入れると結構な時間になってしまう。


再度、髪をアップにして待ち合わせ場所に行くと、胸がちくんとした。


「やっぱり…だ」


陽悟さんの周りには女の子三人が囲んでいて、楽しそうに会話をしていた。


陽悟さんに至っては、無表情というか、不機嫌に見えるんだけど…。


だけどやっぱり彼女としては、面白くないもので、どうしようか悩んだ結果、陽悟さんのところへ行くことにした。


「お取り込み中のところ、すみません…」
「咲世!」


私が話しかけると陽悟さんの顔が、パッと明るくなり私をギュっと抱きしめた。


「って、ここ公共の場です!」
「知ってる」
「は、恥ずかしいので離してくださいっ!」
「ダメ、ヤダ」
「………」


もうこうなったら陽悟さんを止めるのは無理な気がして、おとなしくすることにした。


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