あなたに恋をしたらダメですか？

「じゃあ、俺たちもイチャイチャしようか」
「へっ？」
「咲世、キスしたいな」
「……、」


陽悟さんの顔付きが急に〝オトコ〟になって、その顔にドキリとする。


「咲世に合わせるつもりだけど、キスくらいならいいだろ？」
「……うん」


私が頷くと、陽悟さんは〝オトコ〟の顔から、ほんの少し笑顔になり、そしてまた〝オトコ〟の顔に戻ると、床に手を付き、身体をこちらに傾けてくると、ほんの少しだけ、触れるキスをした。


「どう？嫌じゃない？」
「うん、嫌じゃない……」
「じゃあ、もうちょっといい？」
「うん…」


私が頷いたのを確認すると、何度も啄むようなキスをされた。


「陽悟さんっ」
「なぁに？」
「は、恥ずかしいっ」
「そのうち慣れるって」


そう言ってまた何度も何度も、私を慣れさせる為なのか啄むキスだけをされ続けた。


「慣れてきた？」
「……ううん」
「嘘だ、欲しがりの顔になってるけど？」
「っ、」


ヤダ、ヤダヤダ！そんなこと言わないで！そんな顔してない！