あなたに恋をしたらダメですか?
それが恥ずかしくて恥ずかしくて、何度も陽悟さんの胸を叩くと、やっと離してくれて、すぐさま身体で呼吸をした。


「ごめん、止めてあげられなかった。咲世が可愛すぎて。ごめんね?」
「………」


陽悟さんは、ズルイ。そうやって、使い分けて、優しい言い方しちゃって。


「咲世、寝ようか」
「う、うん…」


でも何だか怖くて、あの布団に行ったら今より凄いことが待ってるんじゃないか、って…。


でも陽悟さんは、また優しく笑った。


「咲世、警戒してるでしょ?ごめんね、俺があんなことするからだよね。咲世が受け入れてくれるまで待つから、だから一緒に寝てくれる?」
「陽悟さん……」


私、何でこんな…。好きな人を悲しませる顔をさせちゃってるんだろう…。


「ごめんなさい、陽悟さん…。色んなことが初めてで、緊張と不安と、グチャグチャでっ、」
「うん、分かってる。分かってるから、俺が悪いの。だから咲世は気にしないで?」
「………」


そんなこと、言わないで……。陽悟さんが悪いなんて、言わないで…。


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