あなたに恋をしたらダメですか？
＊俺は本気にはならないよ
「おい、陽悟」
「なんですかー、蒼井さん」


この人は学生時代の先輩で、ここでも俺の先輩で上司の蒼井吏仁（あおいりひと）さん。


なにかと俺の行動に口を出してくる。まぁ、俺がだらしないからなんだろうけど。


「あの子はやめとけ」
「はい？なんですかソレ」
「さっきの子だよ。遊ぶようなタイプじゃねぇだろ」
「まぁ、そうでしょうね」


蒼井さんは勘がいいから、なんでも分かっちゃうんだよねぇ。それがウザいのなんのって。


「あの子は、陽悟に好意持ってんだろ。お前だって分かってんだろ？」
「まぁ、嫌われてはないでしょうねぇ」
「お前、あーいう子が本気になったら厄介だぞ」


まぁ、そうだろうねぇ。遊びで近寄ってくる子なら、一回抱いてサヨナラできるけど、本気にされたら、なかなか難しいんだよねぇ。


「どうせお前、本気になんねぇんだろ？なら、今のうちに関わるのはヤメろ」
「蒼井さんって、俺のなんですか？親ですか？」


本当、ウザい。べつに蒼井さんに迷惑かけるわけでもないんだから、放っておいてほしいよ。


「お前なぁ…」
「でも、蒼井さんの言うとおり、俺は本気になったりしないですよ。なので、安心してくださいね、パパ？」
「てめっ、誰がパパだ！」
「ぶっ…！」


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