あなたに恋をしたらダメですか？

あー、おもしろい。蒼井さんって、からかいがいがあるんだよねぇ。


だからいつも分かってても、こうやって、からかっちゃうんだよなぁ。


「つーか、お前。結婚とか、考えねぇのかよ」
「なんですか？自分が結婚したからって、結婚はいいぞー！って言うアピールですか？」
「ちげーよ」


蒼井さんは、12月の末あたりに結婚をした。しかも、出会った二日後に。


まぁ、理由が理由だっただけに、納得はしたけど、そんな簡単に結婚を決めるなんて俺にはできないし、これからもするつもりもない。


「でも、いいですよねー」
「なにが」
「毎日、紫月（しづき）ちゃんとエッチできるんですもん」
「あ？」
「紫月ちゃんって、どんな顔して鳴くんだろ、って！冗談ですよ、冗談！」


こわっ…。紫月ちゃんのことになったら、マジ顔変わるんだから、本当信じられないよ。


「ったく、人の嫁で想像すんなよ」
「だって紫月ちゃん、可愛いんですもん。俺だって狙ってたのに」
「お前の場合は、一回ヤりたかっただけだろが」
「あ、バレました？」


クスクスと笑うと、盛大なため息を俺に聞こえるよう、わざと蒼井さんは漏らした。


「とにかく、遊ぶのは勝手だが、女選べよ？」
「分かってますってー。あ、いらっしゃいませー」