あなたに恋をしたらダメですか?
まさか見破られるなんて、思ってもみなくて、恥ずかしさに俯いてしまう。
そんな私に未知子さんは、更に言葉を続ける。
「私がハートとか描いたら、気持ち悪いじゃない?だから、天使の羽。恋のキューピッドまではいかないけど、この想いが届きますように、って」
「未知子さん……」
「さ、出来たよ。あの女性より、咲世ちゃんのほうが何百倍も可愛いよ。だから自信持ってね?」
「……っ、行ってきます」
なんだかいつもの接客より緊張してしまう。でも、せっかく陽悟さんに会えたんだ。笑顔で接客しなくちゃ!
そう意気込んで陽悟さんのテーブルのほうを振り向くと、陽悟さんと緋紗子さんは両手をテーブルの上に置き、陽悟さんの手の上に緋紗子さんが自分の手を重ねていた。
(彼女じゃないって、言ったくせに。女なら誰でもいいの?)
心の中で思うも、笑顔を作るとテーブルに向かって歩いた。
「お待たせしました」
私が声を掛けると、陽悟さんのほうから手をゆっくりと離した。
それだけのことなのに、嬉しく思ってしまう。緋紗子さんから離せば、陽悟さんがまだ手を触れていたいんじゃないかと勝手に勘違いしそうだったから。
そんな私に未知子さんは、更に言葉を続ける。
「私がハートとか描いたら、気持ち悪いじゃない?だから、天使の羽。恋のキューピッドまではいかないけど、この想いが届きますように、って」
「未知子さん……」
「さ、出来たよ。あの女性より、咲世ちゃんのほうが何百倍も可愛いよ。だから自信持ってね?」
「……っ、行ってきます」
なんだかいつもの接客より緊張してしまう。でも、せっかく陽悟さんに会えたんだ。笑顔で接客しなくちゃ!
そう意気込んで陽悟さんのテーブルのほうを振り向くと、陽悟さんと緋紗子さんは両手をテーブルの上に置き、陽悟さんの手の上に緋紗子さんが自分の手を重ねていた。
(彼女じゃないって、言ったくせに。女なら誰でもいいの?)
心の中で思うも、笑顔を作るとテーブルに向かって歩いた。
「お待たせしました」
私が声を掛けると、陽悟さんのほうから手をゆっくりと離した。
それだけのことなのに、嬉しく思ってしまう。緋紗子さんから離せば、陽悟さんがまだ手を触れていたいんじゃないかと勝手に勘違いしそうだったから。