あなたに恋をしたらダメですか?
「そう、ですよね。楽しまなきゃ損ですよねっ。せっかくの機会なわけですし」
「そうだよ、それにデートに誘ってくれるってことは、少なくとも嫌われてはないわけなんだから!」


そうだよね、少なくとも嫌われてはいないはず。だけど、彼女は作らないと言っていた。


あんなに綺麗な緋紗子さんを目の前にしても、付き合おうとか思わないって…。


わたしなんかが付き合えるだなんて、到底無理な気がするんですけど…。


「未知子さん、ありがとうございます。日曜日、楽しんできますね!」





家に帰ってすぐに、陽悟さんにメールをした。陽悟さんからの返信はすぐに来て、自分でもニヤけているのが分かった。


《咲世ちゃん、メールありがとう。日曜日、どこに行きたい?咲世ちゃんの好きなとこ、どこでも付き合ってあげる》


どこでも…なんて!んー、でもデートって、どこに行ったらいいんだろうか。


悩んでも悩んでも、答えは出なくて。やっぱり行き着くとこは、恋愛経験も結婚もしているお姉ちゃんだった。


「ねぇ、お姉ちゃん」
「んー?お腹すいたぁ?待ってねぇ」
「いや、違くて!」
「ん?」


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