あなたに恋をしたらダメですか?
お姉ちゃんは今、カレーライスを作っていて、私がカレーの匂いにつられて来たんだと思ったらしい…。


「あのね、デートってどこでしたらいいのかな?」
「デートっ!?」
「わ!お姉ちゃん!お玉!お玉床に落ちた!!」


やっぱり私がデートするって、お姉ちゃんにとったら重大ニュースみたいなもんなのかな。


「ごめんごめん、だって咲世。好きな人がいるって聞いたばっかで、もうデートなんて言うからビックリしちゃって…」
「ご、ごめんね。急に決まったというか、お誘い受けたというか…」
「えっ?!例の彼にっ?」
「うん。でも相手に好意はないよ、それはないんだけど…」


何か一から話すのが面倒くさくて、こんな言い方になっちゃったけど…。


「私のちゃんとした初デートなの。もしかしたら、彼とのデートはもうないかもしれない…何かそう思ったら、どこに行けばいいのか悩んじゃって…」
「咲世…。お姉ちゃんの初デートはね、映画館だったよ」
「智明さんと?」
「そう。何かちょっと照明が暗くなってさ、ともくんがさりげなく手繋いできて、ドキドキしたなぁ〜」


映画館…かぁ。でも約2時間、ずっと陽悟さんの隣にいられるんだよね?


それって、何かドキドキするかも。でも映画、頭に残るかなぁ…?


「ありがとう、お姉ちゃん!私もお姉ちゃんと同じ、初デート映画館にする!」
「いいねいいね!映画館って、ドキドキするよ〜!あー、お姉ちゃんまで楽しみになってきた!ねっ、いつ?いつデートなの?」
「うん、次の日曜日…」
「そう、日曜日か!咲世、明日仕事終わったら速攻帰っておいで、デートの服買いに行こ!」
「……っ、うん!」


そうだ、デートなんて今度いつあるか分からないんだから、うんと可愛い格好して行かなきゃ!


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