あなたに恋をしたらダメですか？
映画のタイトルは「僕のすべて」というもので、ポスターに書かれている言葉に惹かれた。


〝キミを好きだと気付いた時から、僕のすべてになった〟


たったこれだけだったのに、何故かすごく気になって〝見たい〟と思った。


「何か飲む？」
「あ、じゃあ……メロンソーダにしようかな」
「メロンソーダ？」


え、何か私、変なこと言ったかな…？陽悟さんは、首を傾げながらクスッと笑った。


「あー、ごめんごめん。俺の周りの女の子って、アイスティーとかウーロン茶とか、そういうの選ぶ子が多くて、メロンソーダなんて選ぶ子見たことなくて、つい」
「………」
「ごめん、怒った？」
「べつに」
「あー、怒ったよね。ごめんって！お詫びにジュース奢ってあげるから！待ってて？」


そう言うと陽悟さんは、パッとジュースを買いに行った。


べつに、メロンソーダについて怒ったわけじゃない。他の子と比べられたのが、嫌だった。


あーぁ、何かショックすぎて泣きそう。私は陽悟さんの特別にはなれないのだろうか…。


陽悟さんの周りの女の子の一人としてしか、見られてないんだろうな。


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